『カーブ先端部』 第13回優秀板金製品技能フェア優秀製品 板金加工部品の部金賞・中央職業能力開発協会賞 |
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写真1 1枚板を送り圧延して爪形状にしている |
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工業高校の専用通路の外部壁面に等間隔に配置されたモニュメント(写真6)の両端が今回の受賞製品『カーブ先端部』である。1枚の板を一切溶接を使わずに長さ1100mm、幅348.3mm、高さ158mmの巨大な爪形状にしたもの。“ステンレスの素材を0.5mm単位で少しずつ送り出しながら曲げ加工し、結果的に1600Rの形状を持つ美しい仕上がりとした”点が高く評価されての金賞受賞となった。
イシカワはR曲げに関して独自特許を保有し、他社の追随を許さない曲げ技術とノウハウを有していることで知られている。そのポイントの一つが溶接を使わずに複雑な曲げ形状をつくりだすこと。柔軟な発想とさまざまな工夫が強いられる高度技術の分野だ。今回の受賞製品も、従来技術のノウハウの積み重ねの中から生み出されたものである。 |
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写真2.3 横線の部分から送り圧延を開始 |
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写真4.5 |
図1 製作の工程順序 |
材質はSUS304BA、板厚は2.0mm、要求精度は±1.0mm。またロット数は60個、1個の製作に要した加工時間は120分である。鏡面素材ということもあって、加工にあたってまず考慮されたのが溶接工程を排除すること。そのため、製品の中央部分から先端にかけてのR形状は“送り圧延”すなわちしごきによってつくり出すことになった。そこで問題になったのが、展開作業である。しかしCADでは図面展開はできない。しごく場合の材質の伸び数値を、机上では計算できないからである。そこで石川社長が考えたのが、送り圧延後の切断部分の数値を設定するため、曲げる前の平板に縦・横20mm間隔の罫線をレーザー加工機によってマーキング、試作品をつくって測定した数値を反対にCADに教え込み、展開図を作成している。 展開図作成以後の加工順序は、以下の通りである(図1参照) |
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写真6 壁面のモニュメント両端が受賞製品 |
写真7 曲げ加工では高い評価を得ている |
R曲げを主体に、建築金物や機械部品などの板金加工を行っている同社が大きく花開いたのは、柱巻き曲げ加工に取り付け目地を一体化したRパネルの開発であった。溶接工数を削減することによって、短納期への対応、コストダウンはもとより、工期短縮、工法の簡略化などを実現してきた。R曲線を活かした庇や笠木、エントランスアーチ、また楕円や球面を多用した壁面モニュメントなど、溶接工程を削減したR曲げに特化し、デザインや機能が優先される建築需要の増加もあって、他の追随を許さない高い実績を誇ってきた。さらに現在は、プラストや金属転写を活用したオリジナルグッズやインテリア分野にも進出、その裾野を広げつつある。 石川社長は、業界紙記者からの転身。すべてが一から勉強することばかりと、いまでもわからないことがあると、図書館に通い、大学教授にも意見を求めにいくという。 「私は素人。素人だからこそ視点をずらした発想ができるし、その道の専門家が投げ出すような仕事にも挑戦しようとの気持ちが生まれてくる。実際そんな仕事がほとんどだった、といっても過言ではありません。 ノウハウは大工の鉋の目立てと同じで、言葉でも文字でも表すことができず、ましてリクツは通用しない。そうした意味で私どものノウハウも、目に見えない、日々の物作りの積み重ねの中にしかない、とおもっています」 |
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■株式会社イシカワ 本 社 名古屋市西区見寄町29-3 TEL052-501-6451 テクニカルセンター 名古屋市西区見寄町69 小田井工場 名古屋市西区中小田井3-238 設 立 昭和46年10月 代表者 石川 稔 社員数 20名 事業内容 ステンレス・アルミ・冷/熱鋼板切断、レーザー切断・R曲げ・折り曲げ加工一式、 特許R+R曲げ加工(メジアール・メジアールW)、プラスト加工・金属フルカラー転写など U R L http://www.ishi-kawa.co.jp E-Mail ishi-kawa@ishi-kawa.co.jp |
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