(写真4) カバー本体と排出口の間のつなぎ部が加工のポイントとなった。
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排出カバーを構成する部材は全部で9点。すべてステンレスだ。板厚はフランジが12mm、蓋が5mm、その他は2mm。排出口の先端に巻かれているφ5mmの丸棒以外は、板材からの成形である。形状切断はすべてレーザー加工で行い、円筒部はプレスブレーキによって曲げている。ひずみを避けるためにできるだけ溶接レスの構造としながらも、最終形状にするときには溶接を有効利用しているのも加工テクニックのひとつ。フランジに円状にケガキ線を入れ、ケガキ線に合わせて円筒を仮付けし、円筒上部もレーザー切断した円板が基準となっている。カバー本体と円環部の間に入るつなぎ部も溶接で半ば矯正しながら組み立てて最終形状としていることに注目したい。高精度切断を実現するレーザー加工、高度に熟練した曲げ加工、そしてTIG溶接による組立技術を効率よく融合させた製品加工例ということができる。
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