(写真3)
(写真4)
(写真3〜4) 写真2の曲げ部を拡大。上の写真がステンレス、下の写真がクラッド材。クラッド材の曲げ部が鋭角になっていることに注目。
|
|
板金プレス加工へ工法を転換するのにあたって課された条件は、同社が"稜線加工"と呼ぶように曲げ部のエッジがきちんと立つこと。高級時計の必須条件のためだ。通常、一般曲げの場合はRが板厚の2倍強となるが、それを極限の最小Rまで追い込むことが加工のポイントとなった。
同社が課題解決のために数々の模索のうえに取り組んだのが、"材料"と"金型構造"を見直すこと。それが成功に導く要因となる。材料は従来のSUS304-1/2H材(板厚0.6mm)から、SUS304(板厚0.3mm)とアルミニウム(板厚0.3mm)で構成するクラッド材(2層材/板厚0.6mm)に転換し、金型は細パンチの横ぶれを防ぐヒール構造を採用した。結果、板厚0.6mmのSUS304-1/2を一般曲げした場合、最小Rが板厚の2倍以上の1.6あったものが、ヒール構造の金型を使ってクラッド材(SUS304+AL/板厚0.6mm)を曲げると、最小Rが0.25と板厚以下のシャープな稜線を持つV曲げ構造が得られたのである。
|