検査の仕組みは次のようになる。まずケースの上下にセンサーのついたプレス板をセットしたうえで被検査基板を下面のプレス板にセット。次いでケースの蓋を閉めてからケース上部のレバーを押し下げることで上下のセンサーが接触、導通した箇所が取り付け漏れということになる。導通した箇所は装置に接続されたパソコン画面で確認する。
これにより、従来3分ほどかかっていた検査作業が瞬時にかつ正確にできるようになり、人的負担も飛躍的に軽減されることとなった。同時にPCBの大幅増産も可能となった。
同社ではこの装置のうち、電気部品を除く筐体部分の設計・製作を担当。受賞に当たっては、高精度な組立品を板金加工で速く安く完成させる仕組みを構築した点が高く評価された。従来は鋳物フレーム体でしかつくれない製品だったためだ。
「鋳物品の板金加工への転換というのは当社が取り組んでいるテーマの一つ。板金加工化することにより、リードタイムの削減効果が顕著でコストも安く抑えることが可能となるからです。特にPCBはモデルチェンジの激しい製品のため、設計変更に迅速に対応できる板金加工は非常に有効なのです。その優位性を今回の製品づくりでも十分にアピールできたことが受賞につながったと確信しています」(奈良小太郎常務)
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(写真2)
(写真3)
写真2〜3 被検査基板を装着した状態(写真上) と外した状態 |
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