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第18回優秀板金製品技能フェア優秀製品
日刊工業新聞社賞
溶接を主体とする組立品の部・金賞



『グルメデリ冷蔵ショーケースのミニチュア製品』
株式会社プロデックス

 
 
外フレームは8枚の部品を突き合わせ、TIG溶接で結合
38年の経験が凝縮

 当社は業界のパイオニアで、かつリーダーという自負を持っていますが、改めて客観的な技能レベルの評価を知りたいと思い、今回初出品しました。最も得意とする溶接の部で金賞、さらに日刊工業新聞社賞を受賞でき、当社の技能が確かなものと認められたのはとても喜ばしいことです。

 製作は当社のマイスター(川部 巖さん)が担当し、実際の製品同様、つくり直しなく本番1回で行いました。個々の部品図面は作成せず、完成品寸法から部品展開しての加工は、この道38年の熟練技能者だからこそ、できる仕事でしょう。

 一番のキーポイントは球体部の外フレームの溶接です。簡易金型で絞り加工した8枚の部品をTIG溶接で接合していますが、熱変形に配慮し、溶接ひずみが出ないようにしました。また突き合わせ面の加工精度も長年の経験によるものです。やはり溶接技能と仕上がりの良さが認められたのだと思います。

 当社は特注品が多いのですが、このミニチュアが技能の高さを示し、高難易度のモノづくりをお客さまにアピールしてくれると期待しています。

実際の製品は約10倍の大きさで球面のガラスが組み込まれる。
マンツーマンで技能伝承

 今後とも事業を発展させていくには、今ある技能を伝承していかねばなりません。そこでマイスターに1人の後継者を付けて、徹底的に指導を行っています。ケガキから展開、プレス、溶接などマイスターが持つすべての技能伝承が狙いです。失敗例なども見せつつ、なるべく多く実践の機会を持たせ、育成しています。後継者は知識・経験の余りない、若い社員を選んでいますが、その方が教えた通り作業を行い、覚えが早いからです。

 また社員の多能工化にも取り組み、各部門別に教育体系をつくっています。多能工化の目的は繁忙期への対応ですが、それ以上に社員個々の能力がアップし、さらに仕事の幅の広がりが社員のやりがい向上につながると考えています。

製品の

ポイント

球体部・R形状の接合
熱変形・ひずみの見られない溶接
 
バランスのとれた美しい外観
熟練技能による高精度な仕上がり




寸  法
W497×H260×D250
要求精度
±0.5mm
加工時間
2400分/個
生産形態
試作品
材  質
SUS304
板  厚
1.5mm
部品点数
20点
 
会社概要
本  社

埼玉県熊谷市出来島346-1
TEL.048-588-3188

大泉工場 群馬県邑楽郡大泉町坂田1-1
創  業 2002(平成14)年
代表者 丸 健治
社員数 220名
事業内容 冷凍・冷蔵ショーケースの開発および製造
URL http://www.prodex-grp.co.jp
丸 健治社長(中央)と小林正博取締役生産部部長(右)、制作した川部 巖さん