技を究める
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優秀板金製品技能フェアホームページ
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第19回優秀板金製品技能フェア優秀製品
厚生労働大臣賞
造形を主眼とする組立品の部・金賞
『卓上シャンデリア』
マルヤ工業株式会社
内側には150Rをつけた9mm角、外側には125Rをつけた12mm角の棒材が均等に配置されている
フェアは技#ュ揮の場
図面をもらい、図面に描いてある通りにつくる、というのでは私の信条に合いません。創業以来、建築金物や装飾金物の製作ひとすじに技≠磨いてきましたが、何もないところからお客さまのイメージを形にしていくところにモノづくりの醍醐味があるのです。
その点、この優秀板金製品技能フェアはいいですね。日常の仕事とは別なところで、普段イメージしていることを身につけた技能、技術を駆使して製品にしていく良いきっかけになるのです。以前3回の出品製品はどちらも銀賞でしたが、今回は、正直なところ今度こそ金賞をと力が入った会心の作です。
受賞製品は高さ500mm、横幅700mm、質量約20sと卓上シャンデリアとして人手で移動できること、豪華な雰囲気が演出できることをポイントにしています。らせん状にしたステンレスの角棒が光に反射しあい、上下の鏡面にも映りこんで電球を灯すと意図した以上に存在感のあるものになりました。結婚式の時にホテルに置いてもらったのですが評判も上々です。
最初の旋盤加工にも山ア社長の長年のノウハウが生かされている
見せて技能を伝える
製品になるまではトライをしながら微調整をしていくという作業の連続でした。光反射のための重要なパーツとなる角棒は9mm角と12mm角を12本ずつ計24本使っています。旋盤の刃物台に固定した治具で棒端をつかみ、主軸に棒材の一方をつかんで手動で回転させるのです。一番良い反射率を考えて2回転半ひねっていますが、主軸の回転のさせ方、棒材のスプリングバック量の見きわめがもっとも苦労したところでしょうか。反射率が変わってきますから同一寸法に加工し、取りつけにも神経を使いました。内側に150Rをつけた9mm角の棒材を均等に配置して上部ミラーを支え、125Rをつけた12mm角を、全体を取り囲むように外側に取りつけています。組み上げてから一度ばらしを行い、細部に磨きをかけてから再度組んでいるため、基本的には組みつけはボルト主体で一部溶接構造になっています。天頂部分と台座はレーザマシンを使いました。
受賞製品をつくりあげる過程を社員もじっと見ていますから、そこからモノづくりノウハウ、技能が伝わっていると考えています。親父の背中を見て、といいますが社員の教育にも有効です。
製品の
ポイント
均一な反射を求めた加工
反射率を考慮し、棒材は2回転半ひねり
豪華な雰囲気の演出
電球の灯りが一層の雰囲気を醸し出す
製
品
メ
モ
寸 法
:
W700×H500×D700mm
加工時間
:
4200分
生産形態
:
試作品
材 質
:
SUS
板 厚
:
角棒9 ・12 、2.0・3.0mm
部品点数
:
30点
■
会社概要
本 社
北海道札幌市手稲区手稲前田567-8
TEL.011-683-1841
創 業
1976(昭和51)年
代表者
山ア 明
社員数
10名
事業内容
ステンレス・アルミニウム・真鍮その他の建築金物製作・施工
山ア 明社長(左から2人目)と山ア社長のノウハウ、技能を継承する社員の方々