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第19回優秀板金製品技能フェア優秀製品
学生作品の部・金賞


『缶コーヒー燗器(酒燗器)
セット』

三重県立津高等技術学校

 
 
これまでの受賞(金賞1回、銀賞3回)作品とメタルクラフト科の皆さん。
「フェアでは生徒にモノづくりのやりがいを体験させています」と志賀秀樹先生(写真中央)。
面白さ、やりがいを体験

 「モノづくりをしてみたい」。そういう若者は確かにいます。しかしその多くはモノづくりの面白さ、やりがいを知りません。だから挫折するとすぐにやめてしまう。当校は生徒にモノづくりのやりがいを体験させたいと考え、その一環として優秀板金製品技能フェアに出展を続けています。

 ではやりがい≠ニは何でしょう。3つのキーワードを考えています。1つは達成感。つくり上げる喜びは何ものにも勝ります。2つ目は成果と評価。表彰や顧客からの感謝、社会貢献は生徒の喜び・自信にもなります。そして3つ目は向上心。より良いものをつくりたい、レベルアップの気持ちが生まれてきます。この3つを満たすのがフェアの作品づくりです。今回の作品も前回の「バイク1/2モデル」を見た生徒が、やる気になればこんな作品ができるのかと挑戦したものでした。

 また作品づくりは職務遂行能力の向上にもつながります。私たちは生徒にヒントは与えますが、基本的に生徒が自ら考え、問題を発見、解決していきます。モノづくりの世界では考える≠アとがとても重要であり、その力が身につきます。さらにわからない点は先生に聞く。ほう・れん・そうの徹底という訓練にもなっています。

バーリング用積層簡易金型。先生のヒントから生徒が考え、失敗を重ねながら作品をつくりあげた。
求人増もフェアの効果

 今回の作品の特徴は3つあります。1つは材料変更。2つ目はひずみ対策。3つ目は漏水対策です。材料は前回までの鉄から銅になり、外観への加工配慮が要求されています。その際、少しのひずみでも目につくので、ひずみをできる限りおさえる加工法や設計を心掛けました。また製品特性上漏水は許されないので、全周ろう付けとし、熱ひずみに注意を払った加工体験をさせました。出展を続け、受賞を重ねてきた結果、精密板金企業からの求人が増え、生徒の就職も決まるなど、フェアの対外的効果も実感しています。







寸  法
W500×H120×D300mm
要求精度
±0.5mm
加工時間
3600分/個
材  質
C1100P1/4H、SPH
板  厚
銅板1.0mm、鋼板2.3、3.2mm
部品点数
61点
 
メタルクラフト科の先生は6名。マンツーマンでの指導も多い(写真は加藤 宏哉先生、下は北川 明美先生)。
 
学校概要
所在地

三重県津市高茶屋小森町1176-2
TEL.059-234-2839

創  立 1945(昭和20)年
学校長 中林 驤
生徒数 143名(平成19年度)
〈うちメタルクラフト科16名〉
同科内容 自動車車体、構造物設備、NC ・ロボット、建築設備内外装の4コース
1年次塑性加工共通訓練、2年次各コース専門・オーダーメイド訓練、技能検定受験 等
URL http://www.tcp-ip.or.jp/~tsutech