IT活用インタビュー

2007/9
「第18回優秀板金製品技能フェア」で
厚生労働大臣賞・金賞受賞



株式会社ミワインテック
取締役会長   三輪公成氏
代表取締役   三輪慎一郎氏
住所   愛知県江南市野白町葭場36
TEL   0587-54-0001
創業   1963年 4月
従業員数   40名

株式会社ミワレーザー
取締役会長   三輪公成氏
代表取締役   三輪智之氏
創業   平成6年
従業員数   15名
 繊維機械部品、刺繍ミシン部品、工作機械、コンピュータ部品や各種機器類のカバーを製作するミワインテックの三輪慎一郎社長が長男、ミワレーザーの三輪智之社長が次男と兄弟でそれぞれ独立した企業を経営する。

 村田機械の協力会社として

▲カンチレバータイプのレーザマシンQuattro
 ミワインテックは三輪公成会長が金属プレス加工業として三輪工業所を創業、翌年の9月に三輪工業株式会社として法人化した。事業内容は工作機械メーカー大手の村田機械鰍フ繊維機械等のプレス加工部品の仕事を中心にスタートした。1988年に村田機械製のNCタレットパンチプレス1号機を導入、人手による作業なら四角の窓をあけるにも四方にホールソーで穴を開けてバイブルシャーで切っていくという作業だったが、タレパンを導入するとプログラムさえ組めれば簡単に加工できるという機械だった。しかし、1号機であるだけに、いくつかの課題を抱えていた。そこで村田機械の担当者と一緒に仕様の見直しから、いくつかあった不具合を協力して潰しながら完成度を上げていった。すでにその当時にはアマダにもNC タレットパンチプレスがあったが、同社は村田機械との取引が主体であっただけに、他の機械メーカーの機械に関しては全く知らなかったという。その後は、村田機械のタレパンの性能も向上する中で2 台目、3 台目と増設していった。結果、同社の仕事もプレス加工から付加価値の高い板金加工へと変わっていき、やがてプレスと板金の仕事の割合が逆転していくようになった。

 レーザー加工機との出会い

▲レーザマシンLC-2412βVNT(棚付き)

▲ミワレーザとVPNで結ばれたネットワークシステム
  同社が次に転機を迎えたのは1986年の4月、レーザー加工機と出会ったこと。村田機械の板金協力会の会長職を務めていた関係で、村田機械から社員の受け入れを依頼された。その社員が村田機械に在籍中にレーザー加工機を担当していたことから、社員と一緒に三菱電機のレーザー加工機も一緒に引き受けることになった。本当は三輪工業に入社するということだったが、発注元と協力会社という関係では入社する社員がやりにくいのではないか、と考えて急遽、新会社「ミワレーザー」を設立、三菱電機の古いレーザー加
工機を買い取り、その担当者ということで入社してもらった。それがミワレーザーの創業につながった。

 「立ち上げる際には、私がプログラムの出来る担当者と一緒に乗り込んで行ったのですが、当時の機械は古くて調子が悪く、昼間は機械の修理で一日潰すような状態で仕事は夜しか出来ず、挙句に納期に余裕が無く夜を徹して仕上げ、翌朝納品するという毎日でした。寝る間も惜しんで車中で仮眠を取り、空腹の時には夜食のおにぎりで凌ぐという、時間的にも体力的にも大変な毎日でした。こんな状態が2 年くらい続いて、これでは身体が参ってしまうと思い、村田機械のパンチレーザー加工機HL-700を2台導入しました。」と三輪会長は語る。


 新社屋、新社名

▲AP100による展開プログラム作業
 次の転機は1991年1月の三輪工業の新社屋竣工。社名も三輪工業株式会社から株式会社ミワインテックと改め、新社屋は勿論のこと工場内の設備も大変身させた。プレス加工から板金加工に転進する決意を周知させることもあってプレス機を全部出してレーザー加工機を主体とする新進板金工場に変身した。そして「優れた品質と技術で社会に奉仕し、たえず前進する」を新しい会社の目標に掲げ、近代的工場に相応しい工場にしていこうと計画した。

 設備について1980 年ころからアマダのベンディングマシンRG100、80 を導入、1996年にはASIS100PCL、1999年にはネットワーク対応型のベンディングマシンFBDV -1253NT とアマダ製のレーザーマシン、LC-2412B3NT、2003年以降はネットワーク対応自働プロAP100JWL、 AP100CHGなどネットワーク関係にも手厚い設備を導入していった。2005 年にYAG レーザーYML-500P、18、19年にはインフラサポートサービスを導入した。アマダ以外の設備としては三菱電機製のレーザー加工機ML3015HV、自動プログラミング装置としてCADMAC、村田機械製のCAMPATH2000 も活用している。

 CADMAC は同社とミワレーザーに1 台ずつ設置して村田製複合機専用に使い、データはCADMAC 本体内で管理、データの受け渡しは社内ではフロッピーを使用、ミワレーザーのマシンにもフロッピーを介している。AP100 は社内に2 台、ミワレーザーに1 台あり、受注すれば同社でプログラムを組みSDD にいったん溜められる。ミワレーザーで受注するとそのままプログラムを作成してVPN で同社のSDD に送られてくる。ネスティングは両社にWinNEST があり、それぞれが必要な時にSDD から部品データを呼び出してネスティングする。

 「工場内ネットワーク(LAN)は勿論のこと、ミワレーザーとはインターネットを利用した専用線(VPN)でネットワーク化されています。生産管理サーバーや加工情報サーバー、ASIS100PCL;SDD(Sheet metal Digital on Demand)を導入し、社内をはじめ、距離の離れたミワレーザーとも受注情報(生産管理情報・図面等)や加工情報(展開図・プログラムデータ・立体姿図等)を共有化して距離と時間の合理化を可能にした。

 「デジタル化された近代的な板金工場を目指してデータ化を進めれば進めるほど心配になるのが、サーバーが壊れると工場が、いや会社が止まってしまうのではないかという不安。アマダさんと付き合っていて良かったと思った点はサーバーが壊れた時にアマダのコールセンターに連絡をするとインターネットを介して最短の時間で壊れたサーバーを代行するサーバーを変更してくれる“代行サーバー”です。システムが故障や停止した時に、アマダのコールセンターへ連絡をするとインターネットを介して当社のシステムに入ってきて最短時間でインストール等の修理を完了してくれる“インフラサポートサービス”です。当社も“代行サーバー”についてはまだお世話になったことはありませんが、“インフラサポートサービス”については過去に数回ほど助けられた経験があります。現在は大変安心をしてネットワークを活用しています」。


 「第18回優秀板金製品技能フェア」で厚生労働大臣賞・金賞

▲精密板金製品技能フェアで受賞した各種の賞

▲第18回精密板金製品技能フェアで金賞・厚生労働大臣賞 帽子用刺繍セットフレーム
 「ホームページ作成にもアマダアイリンクサービスのご協力をいただきインターネット上に公開しています。新しい仕事の引き合いも出てきています。特に、昨年4月に職業訓練法人アマダスクールが公募した「第18 回優秀板金製品技能フェア」に出展、厚生労働大臣賞と金賞を受賞するという栄誉を賜り、それらのいきさつなどをホームページ上に掲示してからは引き合いもさらに多くなりました。ホームページの活用もさることながら来月にはアマダのオートストレージ、EML-3510TK が入るので村田製を2 台出して、10 段パレットチェンジャー付きLC-2412 をミワレーザーへ移設します。そうなればデータも一元化に近づきます」。

 1999年にISO9002 の認証を取得、2003 年に三輪慎一郎社長が誕生、4 年の経験を経てホームページの掲出。 生産情報や加工情報を安心して活用するために、アマダに提供するインフラサポート、代行サーバーなどを活用することで、得意先に迷惑をかけない、顧客満足度を実現する企業として成長するために意欲的になろうとしている。

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