IT活用インタビュー | |
デジタルピッキングシステムで JIT生産に対応 |
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昭和37年に先々代の社長が「有限会社村田鉄工所」として創業。当初は地元にある小松製作所の孫請け受け会社としてスタートしたが、孫受けという立場上、仕事量が安定しないということもあり新しい仕事を探している時に、同じく孫受けではあったが日野車体の仕事をやってみないか?と声を掛けてもらい日野車体(現在は潟gランテックス、Jバス)の仕事を受注するようになった。 |
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チャンスを掴む | ||
日野車体との取引が20年くらい続いた。そんな頃、間に入って仕事を回してもらっていた会社が廃業、親会社から仕事が直接受注できるチャンスが巡ってきた。当時は従業員10名以下の小規模な会社だったがトラックのパーツ数台分から3、4年後には数10台分の仕事をこなすまでになった。「私たち3兄弟(長男・代表取締役会長 村田武志氏、次男・代表取締役社長 西田利雄氏(養子縁組により西田姓に変更)、3男・専務取締役 村田智宏氏)も朝は6時から工場の手伝いをしてから登校、下校は直接工場へ帰って手伝いをする毎日でした」。 |
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若い世代の知恵の競争 | ||
それを実現させるためにITをフル活用し徹底した生産管理を行うシステムが必要と考えた。従来より事務所と本社工場が別棟に分かれていた。そのため、ITをフル活用するに至るまでは『勘ピューター』と『走る生産管理』による管理を行っていた。発注元から電話を受けるたびに担当者が工場を走り回り、現物を見て現状を把握して電話応対をするという状況だった。 事務所棟および第1工場、そして第2工場を完成、さらには第3工場、第4工場から第7工場までを建設する計画を持っていたが、そこまで行くと事務所棟から第7工場までは距離にして500mにも及ぶ。『走る生産管理』では管理自体が無理になると考えた。ある時期、合理化を目的に社内電話に『携帯電話』を採用したことがあった。ところが携帯電話や内線電話は1対1のため、話をしている者同士ならツーカーだが、内容を他の社員に伝達するという行為が必ず発生する。伝言ゲームではないが次第に間違った情報になったり、途切れてしまう場合も起きて、一長一短のジレンマを感じるようになって行った。 |
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新社名でIT化を前面に押し出す | ||
そうなれば結果的には『お客さまに迷惑を掛けてしまう』恐れもある。それ以前に『お客さまに必要な情報を正確に早く伝える』にはどうすれば良いか。会長、社長、専務で相談した結果『現在考えられるITをフル活用』しようということになった。キックオフに当たって、社名も従来の村田工業所からInformation
Technology Murataから取ったI・T・M『アイティエムコーポレーション』と変更した。 定額で繋ぎたい放題のブロードバンドを利用しない手はないだろうと考え、アマダアイリンクサービスに依頼、工場内にLANケーブルを張り巡らせ、離れた工場とVPNで繋いだ。そして、工場内には25台のハンディー端末を設置、ケーブルソフトウエア社の『受注・出荷モジュール+M』を導入することで工程進捗が把握できるようにした。 |
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『テレビ会議システム』の明と暗 | ||
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テレビ会議システムとインカムを併用 | ||
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『デジタルピッキングシステム』 | ||
「弊社は見込み生産の在庫は一切持たないことにしていますから在庫というのはお客様からの分散発注、いわゆるカンバン方式に対応する“受注分の先造りまとめ生産”を指しています。従来は在庫棚を設けて得意先別、図番などを掲げて管理していましたが、小さな物などは隣の物と混ざってしまうとか、図番の1字間違い等で出荷の際に誤品出荷が時々起きていました。これらへの対応策として自動倉庫を真剣に検討しましたが自動倉庫では同時に1ジョブしかピッキングできない、ということが分かりました。1日平均の受注数が1,500点位ありますから、出荷数も1,500点となります。そうなると1ジョブ対応で動いている間はピッキング出来ない。自動倉庫では とても対応出来ない。少なくても同時に数点のピッキング可能な仕組みを捜した結果、コンビニ等が活用している『デジタルピッキングシステム』を全国の板金工場に先駆けて採用した。600棚の各列ごとにピッキング担当者を配置、担当者は自分の担当棚のランプが点滅する部材を棚から取り出し、完了するとランプを消す。最大5つのジョブを並列ピッキングすることが可能。この『デジタルピッキングシステム』は『受注・出荷モジュール』とネットワークで繋がっているため事務所側で常に在庫状況を把握できる状態にある。「これにより出荷ヤードを含めて“必要な人が、必要な情報を、必要な場所で、必要な時に”得られる工場になったと思います。今後は、『インカム』と『テレビ会議システム』をドッキングさせて、その場でモノや図面を見 ながら会話が出来る仕組みにしていきたいと考えています」。西田社長はこれからのIT化のベクトルをそのように述べている。 |
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エクセレンスパーツ・パートナー | 工場内には2台のベンディングロボットが稼動、NTベンダーを含め、立体姿図を活用して外段取りでデータを作成しているので曲げ不良が激減している。製品によっては3次元パイプベンダーによる曲げ、プレス加工など熟練技能を必要とする分野もあり、ハイテク設備とともにデータをリピート使用して、経験の浅い人でも間違いのないモノづくりができる仕組みも構築している。工場を増やす計画とともにYAGレーザ溶接機や3次元レーザ加工機の導入なども視野に入れている。 「『工場の見える化』が進み、若い人たち、特に若い女性も将来に夢を持って働くことが出来る会社。エクセレンスパーツ・パートナーとして、この在でオンリーワン企業を目指します」西田社長はIT化に向けた取り組みと意気込みを語る。 |
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