IT活用インタビュー | |
発注元の設計者と二人三脚 − 主業の“試作”にSheetWorksが活躍 − |
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同社は1965年、農機具のプレス加工業者、(株)相互プレス工業所として創業。創業当初は農機具の全盛期で、順調に仕事が出ていたが、時代の変遷とともに徐々に衰退。小ロット化が進むとともに、多品種少量生産へと舵を切らざるを得なくなった。同社はこの流れに対応していち早くロボット付きのプレスマシンを導入した他、25年以上も前にレーザマシンを導入し、“試作から量産まで幅広い仕事をやる”と方針転換。そこから業容が拡大し、現在では“板金加工によるプレス製品の試作”をメインとしている。 「トライアン相互という現在の社名には、『トライ(試作)を通して社会に貢献したい』、『当社もお客さまもお互いに繁栄していかなくてはならない』という先代(浅野章氏)の思いが込められています」。2004年に2代目社長に就任した徳田社長はこのように語っている。 |
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売上の約50%を試作が占める | ||
残りの50%は、製造装置関係の部品が多く、ロットは月に5〜10台、多くても30台。月間の受注品目数は、1,200〜1,300点だが、ピーク時は2,000点を超えていた。そのうち70%が新規品で、残りの30%がリピート品となっている。取引社数は約150社。そのうち50社くらいからは毎月試作の仕事を受注している。 「当社は単品から、多くてもロット数百個を主なターゲットとしてやってきました。この業容を成立させるためには、とにかくお客さまの間口を広げなければならない、と考えています」。 |
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ネットワークとWILLの性能に衝撃 | ||
「当社はCADの導入が非常に遅かった。1997年頃になってようやくCADを導入することになり、必然的にネットワークを組むことになりました」。 その当時、設計のCAD化とともに徳田社長の頭を悩ませていたのが、生産管理のシステム化だった。それまでは、事務所の女性社員が受注台帳(ノート)に手書きで受注情報を記録し、出荷するたびに消し込んでいた。IT化を進めたいものの、当時はまだ生産管理システムは非常に高価というイメージがあったため、このままではいけないという思いを抱きながらも導入には踏み切れずにいた。そんな時に、アマダの営業マンからケーブルソフトウェア社の生産管理システムWILL受注・出荷モジュール+Mの紹介を受けた。 「安価なパッケージ製品でありながら板金企業に必要な機能をほとんど備えていることに衝撃を受けました」と徳田社長は振り返っている。 |
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曲げ工程までネットワーク化 | ||
2004年にはネットワーク対応型ベンディングマシンHDS-5020NTを2台、2005年にFMB-3613NTを2台、導入した。 「同じ仕様で2台をセットで導入したのは、アマダのネットワーク化という考えに共鳴した結果です。2台あれば、1人が段取りしてもう1人に転送できる。忙しい時には2台で並行して同じ加工を行うこともできる。ネットワークをフルに活用するなら1台ではなく2台セットで導入すべきだと考えました」。 |
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SheetWorksの導入により3次元に対応 | ||
「アマダの営業マンに当時の課題だった3次元CADのことを相談すると、SheetWorksなら展開までできると紹介されました。テストを依頼すると、『この形状では、自動展開は無理だろう』と思っていたデータも全部スムーズに展開でき、驚きました」。 |
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開発・試作に適した3次元CAD | ||
「3次元CADのデータには公差などの詳細情報が入っていないため、それだけでは運用できません。OA関連機器・IT関連機器の試作という仕事柄、精度を要求される製品が多いため、公差の情報は不可欠。したがってデータとは別に公差などを記入した紙図面も必要となり、営業や納品の際に受け取ったり、郵送やFAXで送ってもらったりして、取りあえずデータどおりに展開して公差などを確認し、修正が必要な場合は修正して正しい展開図データを作成しています」。 「3次元データが送られてくる際に『こういう製品の加工ができるか』 といった要望を伝えられます。それを受けて、社内で検討し、『こういう工法ならできます』といった提案をします。また、発注元の設計者から事前に3次元データが送られてき て、『こういう形状で製品ができるでしょうか』と相談を受けることもよくあります。現在では、見積りの段階からお客さまが3次元データを 送ってきて、『すぐに見積ってくれ』と言われるケースも増えています。 単純に受けCADとしてだけでなく、発注元の設計者とのコラボレーション環境を構築し、二人三脚で開発・試作を進めていくための提案ツー ル、営業ツールとして活躍してくれています」。 |
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加工編集会議で3次元モデルを活用 | ||
同社の試作品は、手のかかるもの、多工程を渡り歩くものが多いため、発注元から3次元データを受け取った段階で、現場の加工担当者を集め、どういう方法で加工していけば良いか、加工編集会議を行っている。 「会議では、3次元モデルをグルグルまわしながら、加工に無理がある部分、手のかかる部分を1つひとつ潰していきます。そうして簡易型の構造・形状と部品形状、工程順、加工順序などを決めていき、展開形状が決まり、それから初めて展開を行うという流れになります。紙図面やDXFなどの2次元データでは製品のイメージをつかむことができませんので、SheetWorksは今や、試作に欠かせないツールとなっています」と徳田社長は語っている。 |
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新しい技術・工法を生み出す | ||
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