IT活用インタビュー | |
データの消失をきっかけに SDDサポートサービス導入 −見えないリスク・コストを強く意識− |
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大規模量産型から小規模多品種少量型へ | |||
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主要得意先10社―売上の平準化を実現 | |||
「業種は多ければ多いほど良い。お客さまの数はできるだけ多くして、1社あたりの売上比率は10〜20%程度が理想的です。リーマンショックのような構造変化による市場全体の収縮というようなことが起こらない限り、どこかが悪くても、どこかが良かったりする。得意先が1〜2社しかないのでは、1社が工場を移せばそれで手詰まりになってしまいます」。 リピート率は約60%で、新規品の割合は約40%となっている。 「現在は、低価格・量産の仕事は海外に流出、日本に残っている仕事は短納期化・低価格化の傾向が顕著です。経営的に見れば、リピート品が定期的に流れていくのが理想的ですが、量産の仕事はおのずと価格が下がっていき、熾烈な価格競争で体力を削られていく。そうすると、海外でつくっていたら間に合わない仕事、当社でしかできない仕事を優先してやっていくしかない。新規品の割合が高めなのは、そうした意識で取り組んできた成果です」。 |
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5人の営業がプログラマを兼務 | |||
全社的な生産管理システムはなく、5人の営業兼プログラマが、Excelなどを駆使して得意先ごとの特徴に合った管理方法を個別に管理している。全体の受注量・受注状況などについては、週に1回、営業と製造が集まって会議を行って確認し合い、話し合いの中で今後の生産見通しを立てていく。 発注元から受け取る製品データは図面が多く、AP100を使って面出し・面合成により展開図を作成し、SDDに保存する。プログラムを担当するのは前記した5人の営業兼プログラマ。 「自分で取ってきた仕事は自分で展開する、というのが原則です。短納期化が進んでいるので、図面をデータでもらえれば助かるのですが、物件対応の案件は守秘義務が求められるため、お客さまからは図面でしか出せないと言われます。また、設計変更などではデータを直さずに図面に変更寸法が記入されている場合もあって、データだけに頼ると不良の原因になります。あくまでも出図された図面に忠実に展開しなければいけません。しかし、お客さまから受け取ったデータを図面と見比べて検品しなければならないのであれば、今のところは初めから図面入力で展開した方が安心できる」。 |
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データの重要性を強く意識 | |||
「多品種少量化・短納期化・低コスト化が進み、現場の金型段取り・プログラム工程の負荷は増す一方にもかかわらず、ほとんどの場合、その工数を価格に転嫁することができません。そうすると、どれだけ工数をかけずにプログラムできるかが課題になります」。 「今、当社が取り組まなくてはならないことは、まず標準化されたルールに沿って作成されたデータを蓄積すること。次に、蓄積したデータを活用していくことです。現在、私と兄(平澤義一会長)を含めた8人の経営陣が抱えている課題は、経営判断をする上で必要な情報が不足していること、当社がどういう状況に置かれているのかが即座に分かる状態になっていないことです。現在はきめ細かい経営判断が求められ、大雑把な情報だけで今後の方針を決めることはできません」。 同社は、変化する環境に対応するためにはASIS100PCL(SDD)に保管された展開図データやCAMデータを積極的に活用していこうと考えているが、SDDに保管されているデータの保護・セキュリティ対策が課題として浮かんできた。 |
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SDDサポートサービスの導入 | |||
「今年初め、AP100のハードディスクが故障してしまい、保存されていたデータがすべて消えてしまいました。当社もデータのバックアップは取っていたのですが、気が向いた時、思い出した時にしか取っていなかったというのが実態で、結局、直近の2カ月間に作成したデータは回収できませんでした。たまたま、消失したデータ数が少なくて良かったようなものの、これが膨大な数で、それが原因で納期に支障をきたすような事態になれば、当社の信用に関わります。また、当地は雷の多い地域なので、落雷時にコンセントから侵入する雷サージでデータが消えてしまうのではといつもビクビクしてしまう。そうした不安を一掃してくれるサービスを提供してもらえるなら、活用しない手はないと考えました」。 |
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見えないリスク・見えないコストを意識 | |||
「私を含め、当社の本業はモノづくりですから、スタッフも全体的にIT関係には疎い。設備面でも、こうした間接的な付帯業務は軽視されがちです。しかし、直接的な数字としては見えないだけで、中長期的に見れば、付帯業務やインフラの不備によって目に見えないリスクにさらされ続け、目に見えないコストで利益を削られ続けている。ですから、SDDサポートサービスのようにITの専門家の目から見て、提案をいただけると非常に助かります。そういう風に思っている企業は、決して当社だけではないでしょう」 |
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少数精鋭を志向 | |||
将来の目標について尋ねると平澤社長は、「当社が目指すのは、『お客さまに選んでもらえる少数精鋭の下請け』。何か仕事を頼みたい時に、下請けの中から最初にパッと思い浮かぶ会社です。来年、当社は創業50周年を迎えます。これからも1世紀、2世紀と会社を受け継いでいって、規模は小さくても従業員が余裕のある暮らしをできれば言うことはありません」と語った。 | |||
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