2018年1月25日(木)なんば駅に隣接するスイスホテル南海大阪において、大阪府シートメタル工業会 30周年記念式典を開催し、工業会会員の皆さま、そしてご来賓の方々67名にご参加いただきました。
30周年記念式典の様子
記念式典を開催するにあたり、仏故会員の方々を偲び、黙とうを行いました。
会長挨拶
大阪府シートメタル工業会 会長 野村 壮吾
30周年記念式典にお集まりいただき、ありがとうございます。30周年を迎えることができましたのも、大阪府関連団体、諸先輩方、会員の皆さまのご協力によるものだと思います。大変感謝をしております。
当工業会は、昭和62年1月に「大阪府機械板金工業会」として発足し、平成8年に「大阪府シートメタル工業会」と名称変更いたしました。30年の間、世の中は技術革新、産業の高度化、バブル崩壊などが起こり、取り巻く環境は大きく変化しました。
近年10年間では、リーマンショックによる円高の進行から輸出不振に陥り、株価が下落するという想定外が続きました。その中でも、大阪府シートメタル工業会は委員会による経営、技術、技能を主体とし、人づくりに重点を置いて活動を活発に進めてきました。
今後、世の中はますますグローバル化が進み、中小企業も欧米やアジアの企業と競争を余儀なくされてくると思いますが、「競争」から「共創」の時代になるのではないかと思います。その中で新たなソリューションを考える上でも、工業会で集まり、知恵を終結しながら切磋琢磨することが必要だと考えます。
新たな時代に入る30年、次の10年、20年を見据えて、培った会員同士のネットワークに加え、これからは全国の工業会ネットワークを更に発展させ、企業経営に役立てましょう。まだまだ未熟な工業会ですが、関係各位にはご指導ご鞭撻をお願いいたします。
ご来賓祝辞
近畿経済産業局 産業部次長 大西 宏志 様
30周年を迎えられ、誠におめでとうございます。
大阪府シートメタル工業会は、昭和62年に設立され、30年に渡り、経営、技術研修、国内外工場見学、技能検定取得など、精力的に活動され、業界の発展に大きく貢献されています。野村会長をはじめ、会員の皆さまのご尽力のたまものです。
さて、昨年は景気が回復され、中小企業景気も改善傾向にありました。先月、新しい経済政策を着実に推進する目標が掲げられました。関西全域に行きわたらせ、潜在成長率を高めることが重要と考えております。
しかし、一方で人材不足が課題となっており、経済産業省として製造業支援として、技能、情報をつなげるコネクテッドインダストリー実現を目指したIoT、AIに関する実証実験や研究支援を行って参ります。経済産業局としましても、自治体、商工会議所などと連携し、日本経済の屋台骨であり、地域経済を支える中小製造業の競争力強化支援を図って参ります。
2025年には大阪博覧会を計画しております。経済効果のみならず、国際貢献できる機会です。誘致成功のためには盛り上がりが重要ですので、皆さまご協力をお願いいたします。
大阪府シートメタル工業会におかれましては、30周年を節目として、会員相互の結束をさらに強化され、会員のみならず我が国の産業の発展にご尽力賜りますようお願いいたします。
ご来賓祝辞
大阪府商工労働部 ものづくり支援課 課長 楠本 忠範 様
30周年を迎えられ、誠におめでとうございます。
大阪府シートメタル工業会様は昭和62年に設立されたということで、30年、短いようでモノづくりにおいて大変な変化でした。わたくしはまだ学生でしたが、当時は卒業論文は手書きで書いており、何人かがワープロを使っている状態でした。携帯を持っている人は皆無でしたが、現在の学生はスマホを持っていない人がいないほどです。30年の間に新しい技術や製品が生まれてきました。その中で、30年の長きにわたり技能検定などの人材育成に貢献され、業界のみならず大阪、日本のモノづくりに大きく貢献されてきたと思っております。
昨年は経済が堅調で「拡大基調」と言われております。なんばを歩くと外国人が多く、インバウンド効果が大きいと感じる中で、昨年は検査不備やデータ改ざんなど、MADE IN JAPANの信頼を揺るがしかねない自体がありました。2040年には全てを電気自動車にすると宣言する国も出てきており、これからも大きな影響が出てくると思われます。
大阪府シートメタル工業会様には、これからも同様の活動を続けていただき、大阪のモノづくりの維持発展にご尽力いただきたいので、よろしくお願いいたします。
30年の歩み
発表:理事 北田 佳之
感謝状授与
30年の長きにわたりシートメタル加工業界の技能向上、人材育成に貢献されたことの功績を讃え、株式会社アマダホールディングス様より感謝状をいただきました。その後、株式会社アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任 様よりご挨拶をいただきました。
ご挨拶
株式会社アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任 様
大阪府シートメタル工業会が30周年を迎えられたこと、誠におめでとうございます。
本日新幹線で参りましたが、新大阪駅は人が多く、道頓堀のあたりも大変にぎわっており、大阪は活況があっていいなと思って参りました。訪日観光客は7年前に150万人でしたが、昨年は1100万人だったそうで、伸び率もNo1だそうです。その中で訪日観光客の1/3が大阪に来ると言われています。ホテルも不足しているでしょうし、鉄道も増強されると聞いています。板金に関係する明るい話が多いようです。さらに万博も大阪でほぼ決定となり、大阪の未来は明るいと感じています。
年始に各業界の賀詞交歓会に出席させていただき、どこも好調との声を聴いています。世界経済を見ても、悪い部分はあまりなく、希望的観測を含めて、今年も全体的に好調と考えています。
皆さまと共有したいキーワードが3つございます。
- 少子高齢化、働き方改革 労働力不足に応じた経営
- IoT、自動化ロボットの本格化 アマダ「V-factory」を4月から推進し、工場の見える化、つながるモノづくりを進めて参ります。
- 環境、エコの規制大きく トヨタは2025年までにハイブリッドまたは電気自動車にすると宣言しています。
これからモノづくりが変わってきますが、新たなビジネスも生まれており、新たなビジネスチャンスもございます。アマダもお客さまのお役に立てるよう、いい商品、いいサービスをご提供して参りますので、引き続きご愛顧くださいますようお願いいたします。
周年知事表彰
多年業務に精励し、大阪府産業の発展に尽力された功績が顕著であったことを讃え、株式会社伸明 取締役 本部長 藤本 浩一 様が大阪府県知事 松井 一郎 様より表彰状を授与されました。表彰は大阪府商工労働部 ものづくり支援課 課長 楠本 忠範 様より贈呈していただきました。
記念講演 「モノづくりの心、伝えていこう未来へ」
講師:中小企業応援団/神戸国際大学経済学部教授 中村 智彦 様
人口減少にどう対応していけばよいか、参考になるお話をしていただきました。
2020年は高齢化率が30%になると言われており、様々な活用が重要
- 高齢者、女性、外国人の活用
製造業も変えていかなければならない時代 - 自動化、AIの活用
Googleマップからタクシーが拾える時代。タクシー会社もIoTを導入してきている。 - ホームページの活用
求人対策にホームページを活用すべき。リクルーターはまずネットで調べてくる。
その他、特許など知的所有権、知的財産権の大切さもお話いただきました。
【プロフィール】
中小企業応援団/神戸国際大学経済学部教授
上智大学国文学科卒業後、外資系航空会社、家電メーカー系出版社などに勤務し、シンガポール駐在経験も持つ。その後、大学院進学、修了後に大阪府の研究機関である大阪府立産業開発研究所に勤務し、大学に転ずるという経歴を持つ。
現在は、中小企業論、地域経済論を専門とし、神戸国際大学教授や中部経済産業局、愛知県、山形県長井市等、各地の産業振興関係の委員を務める。
主な実績
・テレビ NHK 21世紀ビジネス塾/ 経済最前線/ プライスの謎、NTV 世界一受けたい授業、テレビ大阪 NEWS BIZ
・ラジオ 毎日放送ラジオ、ゴー傑P!
・受賞歴 2002年 東海学術奨励会 奨励賞、阪急・彩都ビジネスワールド・コンテスト 佳作
イオン・グループ第2回イオン21キャンペーン「夢ある未来・地域」賞
・書籍 『図解 世界が驚嘆する 日本のモノづくり』(永岡書店)
祝賀会の様子
会長挨拶 大阪府シートメタル工業会 会長 野村 壮吾
皆さま長い時間お疲れ様でした。
30周年にあたり、検索サイトで設立した「昭和62年」を検索してみたところ、青函トンネル、東京ドーム、瀬戸大橋などの大型開発が進められた年でした。またカラオケボックスが定着したり、ドラクエⅢが発売されたり、そしてCMでは「24時間戦えますか」というフレーズが流行したバブル絶頂の時代でした。
では、30年後の2048年はどうなっているだろうと調べますと、人口減少はとどまるところを知らず、1億人を切ると言われています。この中でどう生き残っていくか、知恵を出し合わないといけないと感じました。
今年の2018年は、IoTやAIといった第4次産業革命が中心となり、産業構造が大きく変わる年になりそうです。中国ではキャッシュレス化が進んでおり、地方の工場にある自動販売機もスマホで購入できるようです。
可能性が豊かな時代になってきます。人口減少を乗り越えるために、新しい産業を見つけていくことが大切だと考え、世界から日本に住みたいと思われる国にしていかなければと思う次第です。これからも切磋琢磨して取り組んでまいりましょう。
乾杯 株式会社アマダ 代表取締役社長 柴田 耕太郎 様
大阪府シートメタル工業会30周年記念式典が無事終えられたこと、大変おめでとうございます。平成最後となる区切りの年に、皆さんの記憶に鮮明に残る式典になったことと思います。
昭和62年の出来事を野村会長にほぼお話いただきましたが、その他に東北・上越新幹線の大きな事業竣工という、製造業にとっては大変いい年でありました。
今、先端テクノロジーをいち早く導入し、使いこなし、モノづくりに活用した企業が利益を出していく時代となっており、IoTが必要不可欠です。
アマダ「V-factory」はご活用いただける機能がそろっており、規模に関係なく役立てていただけると確信しております。新しい製造業の形を築いていければと思っております。
大阪府シートメタル工業会がこれからも50周年、70周年、100周年を目指し、モノづくりを未来につなげていきましょう。
大阪府シートメタル工業会ならびに会員の皆さまの益々の発展とご健勝を祈念しまして、乾杯。
余興 テーブルマジック ジョン・道阪 様
余興では、カラフルで大小様々な傘をいたるところから出すパラソルマジックに続き、各テーブルでカードマジックが披露されました。カードマジックは目の前で見ているのにまったくトリックがわからない鮮やかな手さばきで、各テーブルの方々を驚きの声が湧き上がっていました。
【ジョン・道阪 様】
平成17年 深井 洋正の門下となり、マジックの基礎を学ぶ
平成19年から5年間、数々のマジック大会に出場
平成22年 タイ世界大会 in バンコクの特別賞をはじめ、日本の大会でも数々の賞を受賞
平成26年 大阪にて独立。オフィスIJM設立
現在 大阪、神戸、三田を拠点に関西を中心に全国、世界に向けて活動中
中締め 大阪府シートメタル工業会 副会長 仁張 正之
寒さ厳しい中、皆さまにはご列席いただき、誠にありがとうございます。
先日、アマダの工業会正副会長会に出席した際に、青年部の活動が活発な工業会がたくさんあると聞きました。青年部で培ったことを親会に継承していく原動力になると感じましたので、大阪府シートメタル工業会も青年部活動に取り組み、先輩方から引き継いだ30年をさらにつなげていきたいと思います。
30周年記念式典開催にあたり、役員の皆さんをはじめ、アマダの方々、事務局にご協力をいただき、無事開催することができました。ありがとうございました。
最後に、ご参列の皆さま各企業の益々の発展を祈念しまして、大阪締めをさせていただきます。
「打ちまーしょ」パンパン(2回手打ち)「もうひとつせー」パンパン(2回手打ち)、「祝(いお)うて3度」パパンパンと手を打つ大阪締めで、盛大な式典を閉宴いたしました。
ご参列いただきましたお客さまには、この場をお借りして御礼を申し上げます。
ご参考
大阪府シートメタル工業会について
会員企業の繁栄と、業界の発展のため、経営・技術等に関わる諸問題を研究し、会員相互の研鑚をはかることを主旨に設立いたしました。
活動内容
- セミナーの実施(若手社員育成セミナー、加工ノウハウ実技講習等)
- 技能検定の推進(講習会で受験合格のサポート)
- 研修旅行の実施(国内外の優良工場を視察)
- 会員相互の情報交換(定時総会、賀詞交歓会、親睦会)