EVENT REPORT

九州シートメタル工業会 設立20周年記念式典

日程:2018/4/19
会場:ホテル日航福岡

 2018年4月19日(木)にホテル日航福岡 都久志の間において、九州シートメタル工業会 設立20周年記念式典を開催し、工業会会員の皆さま、そしてご来賓の皆さまを含め112名の方々にご臨席いただきました。天井が高く、豪華なシャンデリアが並ぶ大きな会場で盛大に開催されました。式典の様子をご紹介いたします。


第21回定期総会

第21回定期総会

 平成29年度事業報告、収支決算報告、役員改選、平成30年度事業計画、予算計画、平成29年度板金技能検定合格者の発表、九州シートメタル工業会に多大なるご尽力をいただいた方々に功労者表彰をいたしました。

総会の様子
議長の稲冨 副会長
功労者表彰
1人ひとり感謝を表して表彰しました

 

設立20周年記念講演会

特別記念講演会
演題:『心ゆたかに生きる』
講師:南蔵院第二十三世住職 林 覚乗(はやし かくじょう)氏

 自分が幸せを感じなければ、人を幸せにすることはできない。ささいなことでも幸せに感じることや、めぐり逢いを大切にすることなど、心に響く数々のエピソードをお話をいただきました。感動するエピソードには、目頭を押さえている方もいらっしゃったようでした。テンポよくお話をしていただき、1時間半のご講演が短く感じるほどでした。「やり直しはきかないが、出直しはきく」というお言葉は特に印象深く、立ち止まって自分を振り返るような時間となりました。

書籍:「自分が好きですか」(エッセイ集・西日本新聞社発行)、「心ゆたかに生きる」(エッセイ集・西日本新聞社発行)、「しあわせを感じる喜び」(エッセイ集・文芸社発行)

 

設立20周年記念祝賀会

会長挨拶

 九州シートメタル工業会 会長 田名部 秀世

 本日は、九州シートメタル工業会の設立20周年記念式典にご多忙中にも関わらず、多数の方にご来場いただき誠にありがとうございます。

 ようやく私ども工業会も20周年を迎えることができました。
 今から20年前の平成10年に福岡県シートメタル工業会として発足いたしました。その後、県外からの加入が少しずつ増え、平成20年に「九州シートメタル工業会」と名称を改め、今日を迎えました。

 発足当時は85社の会員企業がありましたが、リーマンショックなど様々な景気変動により、一時は55社にまで減少しました。しかしながら、その後の会員拡大により、今では全国26ある工業会の中でも、3位となる79社にまで回復しました。

 思い返せば、発足当時の初代会長 田名部 貢 氏のご苦労は大変なものであったと思われます。今ではその会長職も、引き継がれて私で4代目になります。

 当工業会の設立趣旨は、企業および従業員の技術技能の向上です。これは『人材育成なくして企業の成長と発展はない』という考えから来ているもので、私どもは刻々と変化する経済情勢と技術革新に対応するために、国家試験である板金技能資格検定の推進を中心に溶接クリニック、板金図面検定、リーダー研修など、様々な人材育成カリキュラムを実施して参りました。

 おかげさまで、皆さまのご尽力に支えられ、工場板金技能士の合格者は、平成30年4月現在、特級8名、1級89名、2級217名に至りました。ここに当会を代表して皆さまに厚く御礼申し上げます。

 また、優秀板金製品技能フェアにおける当工業会の活躍には、大変目を見張るものがあります。特に直近10年の成果については大臣賞をはじめとする主要な賞を連続して受賞する企業を多数輩出するなど、他の工業会と比べても極めて高いレベルの成績を収めるようになって参りました。
 ちなみに昨年度30回の板金技能フェアでは、シンエイメタルテック株式会社さんが経済産業大臣賞、ナサ工業株式会社さんが日刊工業新聞社賞と神奈川県知事賞を受賞、株式会社ナダヨシさんは造形品の部で金賞を受賞され、大変優秀な成績を収められました。

 そしてもう1つ、昨年秋に株式会社ナダヨシの植木相談役が旭日単光章を叙勲されました。このことは、私どもにとっても大変な喜びと誇りになりましたことを皆さまにご報告させていただきます。

 さて、今日の技術革新のスピードはコンピューター、AI、IoTなどの進化により、過去100年かかったものが、10年の速さになったと言われております。戦後最長ともいわれている好景気の真っただ中であり、この景気に気を緩めることなく、いかなる環境の変化にも対応できるよう、新しい経営情報や加工技術の提供、ならびに経営教育や技能教育をはじめとする人材育成の推進を積極的に進めて参ります。

 設立20周年の節目に、関係各位のご指導ご鞭撻を賜りますようお願いを申し上げ、本日の挨拶とさせていただきます。

 本日は誠にありがとうございました。


ご来賓祝辞

経済産業省 九州経済産業局 局長 髙橋 直人 様

 九州シートメタル工業会創立20周年を迎えられ、誠におめでとうございます。

 設立からの20年を振り返ってみれば、金融機関の経営破綻、ITバブルの崩壊、リーマンショック等非常に辛い時期でありましたが、今年においてはアベノミクスによる景気拡大が起こっております。

 九州シートメタル工業会におかれましては、一貫して技術情報、経営情報の交流、技能共有を通じて九州地域の経済発展に多大な貢献をしてこられ、匠の技を持ちます技能者を育成されたと伺っています。現場の技術力や改善を積み重ねる強い現場が、まさに変わらぬ日本のモノづくりの強みだと考えております。田名部会長をはじめ、歴代の役員、会員の方々のご尽力に対しまして、深く敬意を表したいと存じます。

 さて、現在の日本は少子高齢化、人口減少といった状況に陥っており、この九州でも人手不足が大きな課題になっております。これに対応していくためには、省力化、生産性向上に取り組まなければならず、ムダを少しでもカットしていくことが不可欠となります。
 株式会社三松様では、資材運搬台車にビーコンを取り付けられ、生産管理システムと連動させることで、作業ロスの削減を実現されているとお伺いしました。お集まりの皆さまにおかれましても様々な取り組みをなされていることと存じます。
 政府といたしましても、現在、生産性向上に関する特別措置法案を提出し、生産性向上のための様々な支援を行っていく所存でございますので、皆さまに活用いただければと考えます。

 また、今まで職場で活躍の場が少なかった、女性や高齢者の方々を職場の中に取り込んでいく取り組みも必要だろうと考えます。新たな社会環境に応じた働き方を含めた取り組み、職場環境などの改善にも取り組んでいただきたいと存じます。

 さらに、会長からもお話がありました通り、現在第4次産業革命によりAIやIoTなど新たな技術の流れが進展している状況にあり、この新たな技術にこれまで培った日本の強みを連携させまして、更なる強みに変えていくこと、現場で発生するデータを収集し、これを経営資源として最大限に活用するということが一層重要になってくると考えます。
 コネクティッドインダストリーを実現していくことで、経済社会の課題解決につながる新たなビジネスの創出が可能になるものと考え、今後とも日本のモノづくりが世界をリードしていけると確信しております。

 九州シートメタル工業会が九州全体の、ひいては日本全体のコネクティッドインダストリーを実現していただきたいと考えます。我々九州経済産業局も様々な政策資源を活用いたしまして、皆さまの挑戦を全力でご支援して参りたいと考えております。

 先ほど、霧島連山で噴火がありました。九州は豊かな自然がメリットとなりますが、一方、熊本地震や九州北部豪雨など災害が発生する地域があります。皆さまの素晴らしい取り組みが企業の次世代に引き継がれていくためにも、BCP(事業継続計画)の策定や事業継続への対応が非常に重要です。この点も我々がセミナー開催などでサポートして参りたいと思っております。

 九州シートメタル工業会会員の皆さまにはこれまでの20年を礎に、今後益々の飛躍を遂げられますことを祈念しましてお祝いの言葉とさせていただきます。



福岡県福祉労働部労働局 職業能力開発課 課長 南里 妙子 様

 本日はおめでとうございます。本来であれば知事がご挨拶申し上げるところですが、知事の祝辞を代読させていただきます。

 九州シートメタル工業会が創立20周年を迎えられましたこと、心からお慶び申し上げます。貴工業会におかれましては、創立以来板金加工業を通じてモノづくり産業の発展と技能の向上にご尽力いただいております。

 特に企業発展の基本である人材育成に力を注がれ、多くの板金技能士を輩出されました。
 また、会員企業のスキルアップや業界振興にも大きく貢献されておられます。これもひとえに歴代の会長をはじめ、役員の皆さま、そして会員企業の皆さまの熱意とご尽力の賜であり、深く敬意を表します。

 板金加工は産業機械の構成部品、建築物の構成材、また家具や重機など多方面に用いられる技術です。貴工業会や、会員企業の皆さまのご活躍により、この優れた技術がしっかりと継承していかれることを期待しております。

 今日、板金をはじめとする機械加工業は更なるニーズへの対応やIoT化など、一層の技術力の向上が求められているところです。このような中、貴工業会の会員企業の皆さまが一堂に会し、情報交換や親睦を深く図られていますことは、大変意味深いことであります。

 福岡県では技能検定の実施や優秀技術者の表彰を通じて、技能が尊重されるモノづくりを推進していくとともに、地域経済をささえる中小企業の技術振興やモノづくり人材育成の充実など、活力にあふれ成長力に富んだ経済と魅力のある雇用の創出を進めているところであります。皆さま方の引き続きのご協力をぜひお願い申し上げます。

 結びに、九州シートメタル工業会の、今後益々のご発展と会員企業のみなさまのご健勝、ご活躍を心から祈念しまして、お祝いの言葉とさせて頂きます。



株式会社アマダホールディングス 代表取締役社長 磯部 任 様

 九州シートメタル工業会20周年誠におめでとうございます。アマダグループを代表しまして、お祝い申し上げます。
 また、日ごろはアマダグループに対しましてご愛顧いただき、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

 九州シートメタル工業会は現在26ある工業会の中で一番注目を浴びていると感じています。その視点が2つございます。
1つ目は、田名部会長からもありましたように、高い技術力が評価されています。
2つ目は、青年部会、若手が非常に活性化して、いい活動をしていただいております。
この2つの視点で全国から注目されています。

 1つ目の技術力は、アマダが主催し、今回30回を迎える優秀板金製品技能フェアを開催しており、厚生労働大臣賞、経済産業大臣賞2つの大臣賞を頂戴しております。九州シートメタル工業会の会員の皆さまの実績がすさまじく、5年間を見てもどちらかの大臣賞は九州の企業さまが受賞されております。
 私も授賞式に毎回出席いたしますが、株式会社田名部製作所様は受賞の常連でして、シンエイメタルテック様ナサ工業様ナダヨシ様等、必ず九州の方が壇上に上がられております。

 2つ目に挙げました若手ですが、非常に企画推進委員会がナサ工業の長澤専務を中心に、若手の活動がとても目立っております。様々なセミナーを開催し、人材育成を進められたり、工業会としてまとまり、公共展に出展するなどの取り組みをされていると聞いています。

 我々アマダグループも今年86名新入社員が入社し、2/3が技術者です。ここ数年全体の30%以上女性を採用しようと取り組んでいます。女性社員を増やし、九州シートメタル工業会30周年を迎えるころには九州の営業マンにも女性が配属され、皆さまのところにもご提案に伺うという時代も来たら良いと思っております。

 いずれにしましても、設備投資していただく中で、自動化、少人化、レーザ技術、IoTということが我々の課題の中心でございます。アマダとしましても今後ますます切磋琢磨して皆さまのお役に立てるようがんばって参りますので、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、九州シートメタル工業会の益々の発展と、ご列席の皆さまのご多幸を祈念しまして、お祝いの言葉とさせていただきます。


感謝状授与

 20年の長きにわたりシートメタル加工業界の技能向上、人材育成に貢献されたことの功績を讃え、株式会社アマダホールディングスより感謝状を授与していただきました。

 また、九州シートメタル工業会より、アマダグループの岡本会長、磯部社長、柴田専務に博多織のネクタイをプレゼントいたしました。

 

乾杯 広島シートメタル工業会 会長 髙村 正和 様

 本日は九州シートメタル工業会設立20周年、誠におめでとうございます。

 九州シートメタル工業会とは、近隣工業会ということもあり、昔から非常にご縁がございまして、いろいろお付き合いさせていただいております。

 2年前に田名部製作所様やナサ工業様など、様々な会社を見学させていただきました。

 今私が念願しているのは、かつて九州、広島、岡山、四国のシートメタル工業会の会合がございました。広島から博多までは90分で、あっという間に着きます。本当に近くなりましたので、今後ともお付き合いをお願いしたいと思います。

 九州シートメタル工業会の企業さままた、ご参集の皆さまのご健勝を心から祈念して。 乾杯!

 

記念DVD上映 『To after 20 years』 ~九州メタリストたちの軌跡~

 元NHKという異色の経歴を持つ、三和金属株式会社の大和 啓介 様、大和 千春 様が制作の企画・実行をしていただき、1つのドキュメンタリー番組のような素晴らしい記念DVDを制作いただき、歓談の間上映しました。会員の方の表情や熱意あるコメントに会場が大変盛り上がり、お食事の手を止めてご覧になっていました。元NHKのアナウンサーがナレーションしてくださるなど、贅沢な記念動画となりました。大和ご夫妻に心から御礼申し上げます。

 

記念誌ダウンロード

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懇親会会場の様子

開宴の辞 鶴元 幹事
新会員の鹿児島県 株式会社NTメタル 常務取締役 富永 和晃 様
20周年記念パンフレット<企画推進委員会制作>
懇親会フルコースメニュー

各テーブルの皆さま

司会進行を務めてくださった株式会社三松の田名部 雅美 様と事務局の安部さん

 

ロゴマーク制作および第30回優秀板金製品技能フェア表彰

 懇親会の中で九州シートメタル工業会のロゴマーク制作および、第30回優秀板金製品技能フェアの表彰式を行いました。

株式会社ナダヨシ 植木 次義 相談役 板金でロゴマークのバックルを作られました
九州シートメタル工業会の新ロゴマーク
経済産業大臣賞を受賞した、シンエイメタルテック株式会社様
「ウォームギア」
日刊工業新聞社賞と神奈川県知事賞を受賞した、ナサ工業株式会社様
「ギアロック」と「Stitched Tube Ring」
造形品の部・金賞と高度溶接部品の部・銀賞を受賞した、株式会社ナダヨシ様
「ステンレス薔薇花束」と「ステンレスおせち容器」
組立品の部・銅賞を受賞した、株式会社田名部製作所様
「三重らせん回転部品」

閉宴の辞 総務部会 幹事 野村 圭昭

 本日は、公私ともにお忙しい中大勢のお客さまにご出席いただき、本当にありがとうございました。

 今日の楽しい時間というのは早く過ぎるものだなと感じましたし、記念講演で住職様もおっしゃられていましたが、やはり縁があってこの会場でお話ができたのではないかと思っておりますし、これを大切にしたいなと思っております。

 20周年の記念DVDを見て、この20年の歴史を感じ、微力ではありますが今後この20年が30年、40年、50年と続くようにわたくし幹事としても一生懸命がんばっていきたいと思っております。

 広島シートメタル工業会の会長様もおっしゃられていましたように、広島をはじめ、岡山、愛媛など近隣地域と交流会を図って、より一層交流を深めていくことができればいいなと思っております。

 この席の中で、OBの方にもご出席いただきましたことに感謝しておりますし、ご来賓の方々のメンバーを見ても、九州シートメタル工業会が本当に注目されているとひしひしと感じておりますので、より一層頑張っていかなければとこの会を通じて感じましたので、我が社もファイバーレーザを導入できるようにしたいなと思います。

 このような会を継続できるように、皆さまと一緒に頑張っていきたいという想いを込めて、中締めとして万歳三唱で締めたいと思います。

 皆さまのご健勝と益々の企業の発展を祈念しまして、万歳!万歳!万歳!と三唱し、盛大に、そして和気あいあいとした20周年記念式典を閉宴しました。

ご参列いただきましたお客さまには、この場をお借りして御礼を申し上げます。

 

ご参考

九州シートメタル工業会について
九州シートメタル工業会20周年が
日刊工業新聞に掲載されました

九州シートメタル工業会は、技術情報・経営情報の交流、加工技術研究、経営研究、技能教育、人材育成を積極的に推進し、板金加工業の社会的地位の認知とハイレベルな技術集団として、地域社会貢献への挑戦を続けています。

九州シートメタル工業会ホームページ


【人材教育訓練の企画、立案および実践】

企画推進委員会では主旨に基づき、人材育成教育に関わる会員企業の課題に対し、アマダスクール等と協議の上、九州独自の教育訓練カリキュラムを検討し、研修会・セミナーなどの企画と運営を実施しております。

◆板金いろは研修会

社会人としての心構えや、責任についての説明や、挨拶や名刺交換のしかた、敬語の使い方、板金業界についての説明などを行う。フォロー研修も行い、上司の指摘をどう改善していくかなどを考える。

◆パワーアップ研修会

リーダーに求められる能力、職場改善のノウハウを学び、ゲームなども取り入れた職場のムダを取り除き、現場を改善するための対策を考える。

【工業会技能検定合格者数】

特級8名、1級89名、2級217名

【優秀板金技能フェアの出品と工業会】

企画推進委員会が中心となり、優秀板金製品技能フェアへの作品出品と参画の呼びかけを行っており、毎年工業会企業から出品されている。

アマダ 優秀板金技能フェアサイト