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写真2 写真1を背面から見たところ。 |
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ルゲン工房は、人形劇や彫金など数々の創作活動に携わってきた玄間正吾氏が鍛金の世界に入ったのを契機に1975年に開いたもの。工房開設後は鍛金という金属工芸の世界からさらに幅を広げ、金属モニュメントを中心とした造形の世界にその比重を移すことになる。88年にモダンアート展に初出品し、その後、彫刻部門賞、奨励賞、協会賞、安田火災美術財団奨励賞などを受賞、現在はモダンアート協会会員として充実した創作活動を行っている。
今回の受賞製品は工房を共に運営するご子息の玄間圭介氏との合作である。圭介氏は東京造形大学でグラフィックを学んだのちにマルゲン工房に入り、現在では工房の中核を担う。正吾氏が年間10〜20点創作するマケット(縮尺模型作品)から選定して、圭介氏が作り上げたものだ。
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ルゲン工房は現在、装飾看板、試作品などの板金加工品の受注製作、彫刻家・造形作家から受ける金属造形の製作、そして正吾、圭介両氏が創作する作品の自作という3本の柱を建てて工房の運営を行っている。作家であるとともに製作者という二つの顔を併せ持つことが、高品位の金属造形を生み出す大きな要因になっていることがわかる。
実作を担当した圭介氏も次のように語る。
「作家が描いたイメージどおりのフォルムを作りだす技術と感性をベースとして、自らの作品の幅も広げていきたい。空間とのバランスを考えながらマケットのイメージを具象化していくという意味で、今回の受賞製品は私にとっても得るものが多々ありました。
板厚1.5mmのSUS304で全体を構成していますが、大きなアールを持つ上部を始点として、平板を角パイプ状に継ぎ合せながら徐々に伸ばしていき、写真4の部分を始点として最終形状にしています。連続したアールで形状化していますが、製作上のポイントとなったのは曲げ角度がきついところです。図1のように当て金を入れることによって構造体として連続したアールの流れが阻害されないようにし、強度保持とひずみ防止の効果を持たせるようにしました。角状の4辺はほぼ等幅です」
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写真3 各パイプ状の4辺はほぼ等幅である。 |
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図1 アールのきついところに当て金を入れ、強度保持とひずみ防止を図っている。 |
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写真4 始点部の拡大 |
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吾氏は以前出品した作品の添え書きで次のような想いを寄せている。
『冷たい金属の素材を使っての一つの作品が、いかに回りの空気にリズムと緊張感を与えることが出来るか、又空間と作品の対話が、いかに温かく楽しいものに変えることが出来るか、これからの私のテーマです』
『和へのかたち』もそのテーマに沿って製作されたもの。連続した“輪”が“和”に通じ、形状の自然な流れが生命感を醸しだしている。素材の質感は当初鏡面を予定していたが、キズを隠すために敢えてグラインダーによって手作業で模様をつける方式に変更したという。それがかえって作品のテーマである“和”の柔らかさを出す要因になっているのがおもしろい。
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■マルゲン工房
本 社 埼玉県入間郡三芳町北永井57-1
TEL0492-58-4430
創 業 昭和50年
代表者 玄間正吾
事業内容 装飾看板、試作品などの板金加工品の受注製作、彫刻モニュメントなど金属造形の製作。
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造形作家としても活躍する
玄間 正吾氏 |
制作を担当した圭介氏 |
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