1. スプリングバックとスプリングイン

曲げは、圧縮応力と引張り応力が1 枚の板の表裏に同居した変形です。
このため、必要な角度まで曲げても圧力を除くと反力によってはねかえってしまいます。
これを、スプリングバックと言います。
スプリングバック量は一般に角度で表されますが、その量は、材質、板厚、加圧力、曲げ半径などの条件で変化するもので、正確に予測することは困難です。
加圧力の状態によって反力の状態が変化し、圧力を除いたときに、角度が中に入ってしまう事があります。
これを、スプリングイン(スプリングゴー)といいます。


スプリングバック現象の傾向
1.同一金型・同一板厚では・・・・・・・SPCC <AL <SUS
2.同一金型では板厚が薄いほどスプリングバックは大きい
3.仕上がり角度によって異なる
4.板厚に対する曲げRが大きいほどスプリングバックは大きい
 
【スプリングバック一覧】
AL1100 SPCC SUS304
パンチ先端角度=30°
パンチ先端R=0.65
パンチ先端角度=30°
パンチ先端R=0.65
パンチ先端角度=30°
パンチ先端R=0.65
パンチ先端角度=88°
製品角度=90°
パンチ先端角度=88°
製品角度=90°
パンチ先端角度=84°
製品角度=90°
パンチ先端角度=88°
製品角度=100°
パンチ先端角度=88°
製品角度=100°
パンチ先端角度=84°
製品角度=100°
パンチ先端角度=88°
製品角度=140°
パンチ先端角度=88°
製品角度=140°
パンチ先端角度=84°
製品角度=140°
パンチ先端角度=90°
製品角度=90°
パンチ先端角度=90°
製品角度=90°
パンチ先端角度=88°
製品角度=90°
 
【曲げ時の材料内応力状態】
応力状態は動画でご覧いただけます。
AL1100P
曲げ種類:V曲げエアベンド
目標角度
ダイ
V幅
ダイ
角度
ダイ
肩R
パンチ
先端角度
パンチ
先端R
パンチ
斜面長さ
板厚
動画
30
12
30
1
30
0.65
25
1.5
90
10
90
0.6
90
0.2
9
1.5
90
10
90
0.6
90
1.5
9
1.5
90
10
88
0.6
88
0.2
9
1.5
90
10
88
0.6
88
3.0
9
1.5
 
SPCC
曲げ種類:V曲げエアベンド
目標角度
ダイ
V幅
ダイ
角度
ダイ
肩R
パンチ
先端角度
パンチ
先端R
パンチ
斜面長さ
板厚
動画
30
12
30
1
30
0.65
25
1.2
90
10
90
0.6
90
0.2
9
1.2
90
10
90
0.6
90
1.5
9
1.2
90
10
88
0.6
88
0.2
9
1.2
90
10
88
0.6
88
3.0
9
1.2
 
SUS304
曲げ種類:V曲げエアベンド
目標角度
ダイ
V幅
ダイ
角度
ダイ
肩R
パンチ
先端角度
パンチ
先端R
パンチ
斜面長さ
板厚
動画
30
12
30
1
30
0.65
25
1.5
90
10
88
0.6
88
0.2
9
1.5
90
10
88
0.6
88
1.5
9
1.5
90
10
84
0.6
84
0.2
9
1.5
90
10
84
0.6
84
3.0
9
1.5