2. 中立面とその移動

V字型に加工し終わった場合を考えてみると、内側は圧縮ひずみを生じ、外側は引張りひずみを生じています。
そのひずみの大きさは、板の表面部が最も大きくて、順次板厚の内部に向かって小さくなっていき、中心部近くにおいて圧縮ひずみも引張りひずみもない架空の面が想像されます。
このような面を中立面(中立線)と称しX −X 線で表されます。
この中立面の位置は、曲げ半径ir が板厚t の5 倍以上あるうちは板厚の中央部にありますが、曲げ半径がそれより小さくなると板厚が減じてt がt´となり中立面は内側へよってきます。
中立面の半径をPとすれば一般に下記のようになります。







i r ≧5 t の場合・・・・・・・P −i r =0 .5 t
i r <5 t の場合・・・・・・・P −i r =(0 .25 〜0 .4 )t

中立面は伸びも縮みもしないため、曲げ加工製品の展開長を計算するのに用いられます。