5. 曲げ金型の選定

1.V幅の選択
2.パンチの選択

【1.V幅の選択】
1.ボトミングの場合、下記表が目安となります。

0.5〜2.6
3.0〜8 9〜10 12以上
6t 8t 10t 12t


2.製品のフランジ長を確認し、圧力表の最小フランジ長bを満足するかを調べます。
場合によっては目安のV幅より小さいV幅を選択しなければならないが、 V幅を小さくすると圧力が大きくなるので注意を必要とします。

     √2
b ≒ ――― V
      2

3.製作図に特に指定が無い場合は、標準R(板厚R)で考えます。
指定のi r が記載されている場合は、そのi r となるようなV幅を選択しなければなりません。
場合によっては目安のV幅より大きいV幅や、小さいV幅を選択しなければなりません。
V幅を小さくすると圧力が大きくなりますので注意を必要とします。

      V
ir ≒ ―――
      6

※V幅が決まれば必要な圧力が計算できます。その圧力に対して以下の項目を確認します。

・機械の能力トン数を満足しているか?
・金型耐圧を満足しているか?

 

【2.パンチの選択】
1.パンチの断面形状は、製品形状により決まります。すなわち、ワークを曲げたときにワークと干渉しない 断面形状を選択しなければなりません。これは曲げ順序とも関係してくるものですから、曲げ順序とあわせて検討しなければなりません。
干渉を調べる道具としては、リターンベンド限界グラフ・金型原寸パターン・金型原寸図面等があります。

2.先端Rの選択
製品のirはV幅によってほぼ決まりますが(ir≒V/ 6 )、パンチ先端Rも若干影響をおよぼします。
ir≒V/ 6 より製品Rを求め、パンチ先端Rは若干小さ目のものを選択します。
尚、近年は(1)金型の芯出しが正確に出来る。(2)金型先端の摩耗が少ない。等の理由から薄板の折り曲げ加工では先端0.6Rを使用する例が多くなっています。

3.パンチ角度の選択
ボトミング90°曲げの場合、板厚2 mm位までの軟鋼板の薄板は、スプリングバックの影響を受け難いので90°のパンチ角度でもよいが、スプリングバック量の大きいSUS材・AL材及び中板/厚板の場合は88°→84°→82°という様にスプリングバック量に応じて小さ目の角度のものを選択します。
尚、ダイ角度はパンチ角度と同一角度のものを用います。