cm
  1. ベンディング金型 加工情報
  2. 金型の使い方・選定 R曲げ

■ 金型の使い方・選定 R曲げ

■ 標準金型を使用したR曲げ

チップ式小Rパンチ
R3 , R4 , R5 , R6 , R8 , R10
カラーラジアス
R10 〜 R30 までR2.5 間隔
ラジアスルーラー
R10 , R15 , R17.5 , R20 , R25 , R30
チップ式小Rパンチ カラーラジアス ラジアスルーラー
鋭角1Vダイ ・軽量R曲げ1Vダイ(上図)
・鋭角1V ダイ
・ATリテーナー( ウレタン 上図)
・鋭角1V ダイ
・軽量R 曲げ1V ダイ
● 1工程の曲げのため、V 曲げ金型を使用した送りR 曲げに比べ

  • ・加工時間 → 短い
    ・加工精度 → 安定する
    ・R面  → 滑らか
● 各種R寸法に対応可能
● 標準品のため安価で短納期

■ R曲げ時の注意事項-1

○ 多段折れ現象

多段折れ現象とは、折り曲げ過程中にワークがアール(R)パンチの
先端から離れその部分が浅く折れ曲がる現象です。

多段折れ現象の発生する要因

@ 板厚 “ t ” と製品内R “ i R ”の比 が大きい( i R /t)
A ワークの “ 最大引張り強さが低い” か “ 延性(伸び率)が低い”

R曲げ 多段折れ現象

  v幅
板厚t(mm) 0.5 〜 2.6 3.0 〜 8 9 〜 10 12以上
ボトミング 6 × t 8 × t 10 × t 12 × t
パーシャル
ベンディング
12 〜 15 × t
コイニング 5 ×t

■ R曲げ時の注意事項-2

●スプリングバック・・・荷重を取除いた後、角度が開くことです。

@V曲げでも発生するスプリングバックはR曲げの場合はさらに大きく発生します。

A一般に製品の内RはパンチRよりも大きくなります。

●スプリングバックに大きく影響する要素

@ 板厚 “ t ” と製品内R “ i R ” の比( iR/t )

A ワークの “最大引張り強さ”(材 質)

B 使用金型の “タイプ” (曲げ方法、構造)

代表的な曲げ材料の機械的性質
スプリングバック 種類の記号 引 張 強 さ N/mu 伸び (%)
SS400 410〜520 17以上
SPCC 280以上 38以上
SPHC 280以上 29以上
A5052P 180以上 19以上
A1100P 75以上 30以上
SUS304 530以上 40以上
SUS430 460以上 22以上

■ 製品内R(iR)よりパンチRの決定方法

iR T スプリングバック
例)
SPCC 1.6t 内側R30曲げ

  1. 30/1.6=18.75
  2. 上図グラフよりスプリングバックは約5.8°
  3. パンチR=30×90/(90+5.8)=28.2

■ R曲げ用標準パンチの選定

R曲げ用標準パンチの選定

■ R曲げ用ダイの選定

R曲げ用ダイの選定

■ 製品材質SPCCのRパンチ使用時の曲げデータ(エアベンド)参考値

*ダイは、それぞれのパンチRに適応したものを使用
*(例)SPCC 1.0 t をR15 のパンチで曲げた時の製品内Rは、R16.2 となります
板厚 R10 R15 R17.5 R20 R25 R30
0.8 10.6 16.4 18.9 21.8 28 33.6
1 10.5 16.2 18.6 21.3 27.2 33.2
1.2 10.5 16 18.4 21.2 27 32.7
1.6 10.3 15.7 18.2 20.8 26.3 32
2.3 10.2 15.5 18 20.5 25.8 31.3
3.2 10.2 15.4 17.7 20.2 25.5 30.8
  多段折れ発生の可能性あり

■ 製品材質アルミのRパンチ使用時の曲げデータ(エアベンド)参考値

*テスト時の材質は、 A5052-0 、曲げ方向は「ロール目」に対して平行
*ダイは、それぞれのパンチRに適応したものを使用
*(例)A5052-0 1.0t をR20 のパンチで曲げた時の製品内Rは、R24.4 となります
製品内側R
スプリングバック量
パンチR
板厚 R10 R15 R17.5 R20 R25 R30
0.6 12.1 19.5 23 27.6 38 45.8
18.9 27 28.3 34.2 46.8 47.4
0.8 11.3 18.1 21.5 25.5 32.5 42.5
11.7 18.6 20.6 24.8 27 37.5
1 11.1 17.4 20.8 24.4 30.7 37.4
9.9 14.4 17 19.8 20.5 22.2
1.2 10.8 17 20.3 23.6 29.7 36
7.2 12 14.4 16.2 16.9 18
1.5 10.6 16.5 19.6 22.8 28.7 34.8
5.4 9 10.8 12.6 13.3 14.4
2 10.4 15.8 19 21.9 27.7 33.5
3.6 4.8 7.7 8.5 9.7 10.5
2.5 10.2 15.6 18.7 21.5 27.4 33
1.8 3.6 6.2 6.8 8.6 9
3 10.1 15.3 18.5 21.2 27 32.5
0.9 1.8 5.1 5.4 7.2 7.5
・板厚:0.8 パンチ:R30 でのテストで多段折れしました。
  多段折れ発生の可能性あり